笹団子Story ~笹団子こだわりの素材~

笹団子に使う米の話

笹団子はもち米とうるち米を混ぜて作っています。“もち”と“うるち”の違いはほんのわずかな遺伝子の差によるもので、同じ水田で栽培すると、それぞれの遺伝子が混ざり合った子供が生まれてしまうことがあります

「もち米」を食べる習慣のある国は東南アジア及び東アジア地域に広く分布しています。日本では昔から「もち米」を食べる習慣があり、赤飯や、お正月のお雑煮に入るおもち、それ以外にもおこわやちまき、あられなど様々な形で味わうことができます。

もち米は成分的に見るとアミロペクチンのみでアミロースをほとんど含んでいません。日本の「うるち米」は17~23%のアミロースを含み、残りの80%がアミロペクチンです。

このアミロペクチンは粘りを出す成分なので、粘り気を大事にする日本人にはピッタリのお米として今日まで大切に扱われているのではないでしょうか。

笹団子に使う笹の話

笹は九枚笹とかクマザサと呼ばれるものを使います。七月ごろ、朝日連峰や飯豊連峰の山間の集落をたずねると、庭一面に干してあるのを見かけます。これが笹団子用に出荷されるものです。

標準和名をクマザサ(Sasa veitchii (Carr.)) とよぶ植物は、高さが1-2mになる大型のササで、葉は長さが20cmを越え、幅は4-5cm。 葉に隈取りがあるのが名前の由来です。この隈取りですが、若葉には無く、葉が越冬するときに縁が枯れて隈取りになります。

日本の歴史を紐解いてみると、笹は神代から神聖なものとして扱われています。「万葉花譜」という本によると、天照大神が機嫌を損ね、天の岩屋に姿を隠したときに、技芸の神様といわれる天鈿女命(アメノウズメノミコト)が、天の香具山の小竹葉(ササハ)を持って、舞い踊ったとあります。

現代でも地鎮祭などで、四方に忌竹を立て、しめ縄を張りめぐらしたり、七夕の宵に竹葉に願いごとの短冊をつけるなど、笹は神聖なものとして扱われています。

クマザサの葉には、鉄、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルや、ビタミンC・K・且・軌が多く含まれています。また、葉緑素(クロロフィル)や多糖類のパンフォリン、食物繊維のリグニンなどが含まれます。

抗がん作用が認められて注目されていますが、ほかにもコレステロールの低下、血栓の溶解、血圧降下、貧血改善、胃腸の強化、免疫増強などさまざまな作用が認められています。この他にも、いまだ未知の成分が多く含まれ、これが相乗的に作用して効果を発揮します。

笹団子に使う蓬(よもぎ)の話

蓬は野山や道ばたの日当たりのいい場所にごく普通に自生するキク科の多年草です。若芽は白いうぶ毛におおわれ、春が訪れるといち早く、枯れ草の中にあざやかな緑を萌えさせる草で知られています。
当社の笹団子に使うものは、北越後に自生の新芽のやわらかいヨモギのみ使用します。

蓬の語源は、お灸に使うもぐさがよく燃えることから”よく燃える草”善燃草とか、発育が旺盛でよく増えることから”よく萌えでる草”善萌草という説などの諸説ありますが本当のところは明らかではないそうです。

蓬の漢方名は、艾葉(がいよう)と呼ばれています。中国の文献によると、艾とは「疾(やまい)を艾する(病める)」の意味とされています。

日本では、古くから食用や薬草など、最近脚光を浴びているハーブのひとつとして知られ、「万葉集」や「枕草子」などにも詠まれており、「平家物語」には安徳天皇が生まれた時、「桑の弓、蓬の矢にて、天地四方を射て」と輝く未来を願ったことが書かれています。

身近なところでは「餅草」の名で親しまれています。
春先になるとヨモギの新芽を摘みお餅に撞きこんで、清々とした香りを楽しむ笹だんご・草餅は、まさに春の味わいが有ります。

笹団子にしてヨモギを食べる風習は、優れた薬効にあやかり健康を願う昔の人たちの智恵でもあったようです。

蓬は色や香りがよいだけではなく、薬効成分が豊富な生薬としても知られています。
子供の頃、ヨモギの草をもんで切り傷などにつけたことのある方は多いと思います。

また、五月の節句にはよもぎの香気が病気を防ぐなどの力があると考えられて、笹だんごを作ったり、菖蒲湯のショウブと共にお風呂に入れて使われていました。

胃腸や循環器の疾患によいとされ、最近はアレルギー疾患への効果も注目されています。主な薬効成分は、葉緑素、タンニン、シオネールや精油などがあります。

葉緑素は傷を癒し、からだの細胞組織を再生する働きがあります。胃腸の粘膜の傷やただれを改善するので、潰瘍を治したり、出血をともなう症状を抑えます。

ヨモギのタンニンは解毒作用があり、体内の有害物質を排泄する働きがあります。吐き気や下痢にもよいそうです。

またヨモギの薬効成分には血液を浄化する作用があり、葉緑素やタンニンのほかに十種類以上の酵素を含んでいて、それらの相乗作用で血液中の不要な物質である脂質や化学物質等を体外へ排出してくれます 。

血液が浄化されるので高血圧や動脈硬化など循環器系の生活習慣病の予防にも役立つとされています。

これだけでも笹団子は健康志向の食べ物だということがご理解頂けます。

笹団子に使う小豆の話

原産地は東アジア。祖先野生種のヤブツルアズキ(Vigna angularis (Willd.) var. nipponensis)は日本からヒマラヤの照葉樹林帯に分布しています、日本では古くから親しまれ、アズキの約20%はタンパク質で、栄養価が高いほか、赤い品種の皮にはアントシアニンが含まれ、亜鉛などのミネラル分も豊富です。

アズキと一般的に呼ばれていますが、大豆(ダイズ)と比べてアズキ(ショウズ)と呼ぶこともあります。

名前の由来は、「ア」が昔から赤い色を指しており、「ツキ」「ヅキ」が溶けるという意味があったそうです。他のお豆より形が崩れやすい・・・ことから付いたという説があります。

登呂遺跡からも小豆は出土されており、日本書紀や古事記にも登場している程、日本には古くからあるお豆です。日本における栽培面積の6割以上を北海道が占めます。丹波、備中を含めて、日本の三大産地です。

当社の笹だんごに使用している餡子の小豆は100%北海道産、甘さを控えた自家製あんです。

笹団子全体の話

笹だんごは食べ物としては素材に含まれる食物繊維、各種栄養素、体に必要な物質を多く含まれているバランスのよい食品といえます。

人間が体に求めるものの多くが笹団子の中に含まれており、昔の人々の工夫や知恵が凝縮したものが笹団子です。食べる時も皿や箸、スプーン、フォーク、ナイフも要らなく、すべて自然のものです。

まさに昔からあるエコな食品、笹団子です。