笹団子Story ~端午の節句と笹団子~

雪国の春は遅い。冬を越えて、春を待つ心は何にも増して強い。しかし、ひな節句は月遅れの四月三日でも、まだ雪の残っているところが多い。そんなことで、本当に春らしくなる端午の節句のほうが盛んであり、節句といえば月遅れで六月五日となる男の節句ということになります。

端午の節句を祝ってつくる笹だんごやもちの種類には地域が強く、伝統の強さが認められています。

日本の端午の節句は、奈良時代から続く古い行事です。

端午というのは、もとは月の端(はじめ)の午(うま)の日という意味で、5月に限ったものではありませんでした。しかし、午(ご)と五(ご)の音が同じなので、毎月5日を指すようになり、やがて5月5日のことになったとも伝えられます。

菖蒲(しょうぶ)や蓬(よもぎ)は薬草で、邪気を避け、悪魔を払うという昔からの信仰があり、薬草を摘んで邪気をはらうという端午の行事が、蓬(よもぎ)を使って笹団子を作ることで、男の子の誕生の祝いへと結びついていったと考えられます。
また、笹団子は蓬(よもぎ)を加えることで、胃のもたれを防ぎ健胃効果があると言う先人の知恵が生きています。

当地、岩船地方では月遅れの節句、六月五日が農繁期に当たるので農作業の中間食、保存食として時季がら、笹だんごが重宝されていました。

田植えの時期になると笹の葉の緑も鮮やかになってきます。蓬(よもぎ)の新芽も出始め香りも新鮮で、田植えの疲れも忘れてしまうほど、一年中で一番楽しい夏のおとずれを告げるさきぶれの味でした。

現在は、男の子の厄除けと健康祈願のお祝いとしての行事が、庶民の間にも定着して行ったお祝いになってきました。

単なるお祭りではなく、お七夜やお宮参りと同じく男の赤ちゃんのたくましい成長を願う行事、いうなれば鎧兜や五月人形や鯉のぼりは、赤ちゃんに降りかかろうとする災厄や魔物を除けてくれる魔除けであり、災厄除けの守り神のようなものです。

気持ちの問題ですが、省略せずにきちんとお祝いしてあげたいものですね。
それに草萌える季節、清々しく空晴れ渡る子供の日のお祝いというのは、子供達にとって、とっても楽しいもの。初節句だけでなく、お祝いしてほしいものです。